素焼きがあがって

 作った作品が乾燥してから素焼きをします。私は何も分からないのでお仲間におまかせでやっていただきましたが、素焼き後の作品を見る限りでは私のだと思う大きさの湯のみが見当たらないのです。確かに窯に入れてくれたはずですし焼き上がっているはずなのです。

 しばらく焼き上がった作品の棚を探していると少しだけ似たような湯のみが目に留まりました。それを手に取って裏の名前を見ると、確かに私のものだったのです。湯のみにちょうど良いと思っていた大きさだったはずなのに少しこじんまりと小さいような気がします。その事をお仲間に話すと、焼き物の焼き縮みというのがあって、素焼きをした事によって1割ほど小さくなるというのです。そして本焼きでも多少縮むということでした。それを知らずに手にぴったりだと思って仕上げてしまったのです。次回からは少し多き目に作る事にしようと思いました。

 少し小さくなってしまったものの自分で作った作品なので割れずにここまで出来上がった事が嬉しかったです。次は絵付けをし、上薬を塗って本焼きになるのです。この絵付けというのが私にとっては大の苦手で、高校時代の京都での清水焼への絵付けや益子での絵付け、どれも大失敗に終わっているのです。同じような事にならなければ良いのですが、絵の才能はあまりない上に描く絵の下絵も準備していないのですから上手く行く訳もありません。

 しばらくの間、素焼きの湯のみと絵の具と筆を前にして考え込んでいると、絵は書かなくても上薬の色で楽しめば良いとお仲間が教えてくれました。1種類の上薬を掛けるだけでだけでも良いし、2種類の上薬を掛けても奇麗な色になって面白いそうです。それを聞いた私は本焼きの終わっているお仲間の作品を参考に上薬を選ぶ事にしました。

 私の目に留まったのは白地に縁が緑色の濃淡がある素敵な色合いの茶碗でした。早速、茶碗を作った人にどうすればこのような色を出せるのか、上薬の種類を教えてもらう事にしました。